アンチエイジングを阻むテロメア喪失と活性酸素
アンチエイジングの敵


CONTENTS
サプリメント事典 人はどうして老化するのか 何によって老化は進むのか
活性酸素とアンチエイジング 抗酸化成分 デトックス
加圧トレーニング 水素によるアンチエイジング プラセンタ療法
最新美容アンチエイジング 脳の機能低下を防ぐには 耳の聴力低下を防ぐには
視力低下を防ぐには 脱毛を予防するには 歯の健康を保つには
肌の衰えを防ぐには 血管の老化を防ぐには 免疫力低下を防ぐには
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人はどうして老化するのですか
 実は人が老化する原因として考えられているものにはいくつもの学説があり,まだこれといった定説はありません。 しかし,近年の分子生物学などの進歩により,細胞レベルでの老化の原因が明らかになりつつあります。

 老化の原因としてはいくつもの学説がありますが,老化を一つの仮説のみで説明しきることはできず,老化には複合的要因が影響していると考えられます。

 現在,老化は大きく分けて2つの原因説があります。一つは遺伝子などに生まれてきた時から,寿命や老化がプログラムされているというプログラム説であり,もう一つが細胞やDNAが損傷を受け,それらが蓄積されることで老化が進むという傷害蓄積説です。 

 
 

 


 
プログラム説

 がん細胞は宿主ががん細胞の影響で死ぬまで増殖を続けるという正常細胞にはない特別の性質を持っています。

 世界中の研究室の培養液で50年以上も生き続けるヒーラ細胞は1951年に女性の子宮がんから取り出されたがん細胞ですが,その女性が亡くなってもまだ生き続ける不死の細胞です。

 このようながん細胞の研究や遺伝子の研究から,近年DNAの一部であるテロメアが細胞の寿命を決めるのではないかというテロメア説が有力視されています。

 このテロメアはDNAの末端を構成していますが,有力な遺伝子情報をもたず,このDNAからはタンパク質は造られません。

 しかし,このテロメアは細胞分裂のたびにそのままコピーできずに短くなっていくことがわかりました。

 そしてこのテロメアはDNAのクリップのような役割をしており,テロメアがなくなるとDNA配列が乱れ,二度と複製ができなくなってしまうのではないかと考えられています。

 そのため,細胞分裂の結果,テロメアが無くなった時が,細胞分裂の限界ということになり,事実,多くの細胞は50回〜100回程度しか細胞分裂ができません。

 すなわち,これが細胞寿命であり,したがって人の寿命とも関係してきますが,人個体の寿命はこれだけで決定されることはありません。

 たとえば,心臓の細胞などは一生涯細胞分裂が行われず,心臓細胞の寿命は細胞個体そのものの寿命で決まってしまい,その寿命は120年ほどではないかと言われています。

 話はもどりますが,がん細胞はこのテロメアをもとの長さに修復できる酵素,テロメラーゼを活性化させるはたらきを持っているため,細胞分裂をしてもテロメアは短くならず,不死化してしまうのです。

 アメリカの研究ではテロメラーゼ遺伝子を正常細胞の中に組み込んだところ,限界分裂回数が20回も伸びたという報告があります。

 このテロメアをすべての正常細胞において修復させる技術が可能になれば,人間の種としての寿命と考えられている120歳まで老化せずに若々しくいられるというアンチエイジングが可能になるかもしれません。
 

  このテロメア説は老化におけるプログラム説として有力な説の一つです。

 
 



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傷害蓄積説 

 老化のしくみを説明するもう一つの説は傷害蓄積説とかエラー蓄積説とよばれているもので,さまざまな原因による傷害が体内につみ重なることで老化が起こり,死に至るという説です。

 それらの説によれば遺伝子を構成するDNAが活性酸素や放射線などにより損傷し,その損傷が積み重なることで,細胞が死に,老化へと向かうと考えられています。

 それらの説以外では細胞が分裂し,DNAが複製されるときにできる傷が原因とする説やDNAからRNAをへてタンパク質ができる過程でエラーがおこり,異常なタンパク質ができてしまうことがが原因だという説もあります。

 現在,この傷害蓄積説において細胞に最も大きな傷害を与える要因と考えられているのが,活性酸素です。
 
 哺乳動物の体重あたりの酸素消費量と寿命の関係を調べてみると,原則的に体重あたりの酸素消費量の大きな動物ほど寿命が短くなっています。

 それは酸素をたくさん消費するほど,活性酸素がたくさん発生し,細胞に傷害を与えるためと考えられます。

 活性酸素は不安定なため,細胞を傷つけ,DNAの一部をも酸化させ,年をとるにしたがい,DNAの傷害は蓄積されるのです。

 また脂質は活性酸素の影響を受けると,脂質が変化し,過酸化脂質を生じます。この過酸化脂質も強い酸化力を持っていて,身体のタンパク質を酸化させていきます。
 

 このような傷害が積み重なることで人は老化するという考えが,傷害蓄積説です。