髪のアンチエイジング
   頭皮ケアと頭皮の血流改善

CONTENTS
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髪はどうして年を取ると白髪になったり,薄くなったりするのでしょうか。


 
老化による白髪の原因

 髪の毛が黒いのはメラニン色素によるものであり,この色素はメラノサイトと呼ばれる色素形成細胞より作り出されています。

 このメラニン色素は,毛母細胞のチロシナーゼという酸化酵素によりアミノ酸の一種であるチロシンが酸化され作られます。

 老化により
このメラノサイトの機能が弱まったり,消失したりするとメラニン色素をつくることができなくなり,白髪になります。

 この他にも遺伝的な体質により白髪になる年齢に大きな差があるという事はわかっていますが,その詳しいメカニズムについてはよく解明されていません。
 
 さらには,バランスの悪い食事や睡眠不足などの生活習慣やストレスも白髪を促進させます。

 また,慢性胃腸疾患や,甲状腺疾患,貧血などでも白髪が増えることがあります。

 



 
脱毛のメカニズム

 実は脱毛症は多くの原因があり,すべて解明されているわけではありません。

 現在は1975年に米国のノースウッド医学博士が唱えた脱毛理論が定説となっています。

 彼の理論の男性型脱毛症について簡単に説明すると,男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素の影響を受け,5αDHT(ファイブ・アルファ・デヒドロ・テストステロン)へと変化します。

 この5αDHTが細胞のレセプターと結合し,細胞分裂を行わせるエネルギー物質ATP(アデノシン三リン酸)の生成を阻害することで,毛母細胞の活力が衰え,太い髪にならず,脱毛していくということです。


 老化による薄毛・脱毛の原因

頭皮の細胞の老化

 毛頭髪は幹細胞が分化し,毛包細胞となり,さらに毛母細胞となってこれらの細胞の働きにより生産されます。

 老化により毛髪の生産を担うこれらの細胞のはたらきが悪くなったり,数が減少したりすることで,薄毛,脱毛がおこることがわかっています。

 特に老化によりATPの体内生産が減少し,毛母細胞が活力を失うということも解明されています。

 髪は健康な人であっても常に成長しているわけではありません。髪が生まれてから抜けるまでの過程には成長期,移行期,休止期の3つの過程があり,これをヘアサイクルと呼びます。

 髪は移行期から休止期に入ると,毛根は表面へ徐々に押し上げられ,2〜3ヶ月後は抜けていきます。そして,成長期に入ると同じ毛穴から新しい髪が生えてきます。
 
 ところがヘアサイクルの成長期の状態にある髪は全体の85〜90%ですが,老化が始まると成長期の髪の割合は80%以下に減ってしまいます。

 さらに髪が十分に成長できずに太い毛が少なくなり,細くて短い毛髪になってしまいます。これは男性型(壮年性)脱毛症とよばれているタイプですが,男性だけでなく女性にも起こる脱毛です。
 
 特に男性の場合,髪の抜ける量が増え出すのは20代後半から30代前半といわれています。


 これら細胞の老化だけだなく,ホルモン,血行不良,偏った食生活,過剰な皮脂の分泌,ストレス,喫煙などが老化による脱毛を加速させます。


老化による薄毛・脱毛を加速させる原因

男性ホルモン
 男性ホルモンが影響し,はやく脱毛してしまう人も,見られます。

 前述したように,男性ホルモン(テストステロン)は5αリダクターゼという酵素の影響を受け,5αDHT(ファイブ・アルファ・デヒドロ・テストステロン)という強力な男性ホルモンに変換されます。

 これが毛母細胞のレセプターに結びついて,毛母細胞のはたらきを弱めるのですが,
この脱毛には遺伝的要素が大きく,男性ホルモンの分泌量というよりは,遺伝子の男性ホルモンのレセプターの感受性の差によるものが大きいということが解明されてきています。

 すなわち,この男性ホルモンの影響を受けやすい遺伝子をもった人が脱毛しやすいということです。
 
 女性も女性ホルモンの分泌が減り始めると、テストステロンが相対的に増え,抜け毛が増えていくということになります。
 

血行不良・ストレス
 血流が滞ると,毛細血管から毛根部に運ばれ,髪の成長を助ける栄養や酸素が十分に行き渡らなくなってしまいます。

 その結果,毛をつくる細胞が死滅し,脱毛が促進されます。この血行不良の原因としてはストレス,喫煙,運動不足,血管の老化,不規則な生活習慣などが考えられます。
 


皮脂の過剰分泌
 過剰に分泌された皮脂は毛穴に詰まります。毛穴を塞がれると頭皮は呼吸ができず,髪に必要な栄養や新鮮な酸素を供給することができなくなります。

 この過剰な皮脂の分泌は脂漏性脱毛症,男性型脱毛症,若年型脱毛症の大きな原因ともなっています。


偏った食生活
 外食の増加や不規則な食生活で栄養不足が起こると,毛母細胞は髪がつくれず,やがて活動を停止してしまします。

 特に,髪の原料となるアミノ酸が不足するとしっかりとした毛髪をつくることができません。







白髪はどうすれば予防できますか。

     
     ■ 髪のアンチエイジング対策
 

 血流を改善し,カルシウムや銅を補充しよう
 

 髪の毛の色素をつくるのはメラノサイトという色素形成細胞です。したがってこの細胞を活性化させることが重要です。

 すべての細胞は血流を改善することで活性化します。このメラノサイトを活性化するためには,頭皮マッサージも有効です。

 爪を立てずに,両手の指の腹で円を描くようにもみほぐしたり,頭皮をつまみ上げたり,軽くたたいたりしながらマッサージをするとよいでしょう。

 そのほか,血流を改善するためのサプリメントとして,赤ワインに含まれているブドウ種子エキスやイチョウ葉エキス,ナットウキナーゼなどもよいでしょう。

 また,カルシウムを摂取することにより,メラニン色素を作るメラノサイトを活性化できます。

 カルシウムを多く含む食品としては
乳製品,小魚,大豆,大豆製品,海藻,青葉などの野菜類などがあります。

 カルシウムと同時に銅を摂取することもチロシンを黒くするために必要です。
 銅を含む食品としてはアーモンド,牡蠣,納豆,エビなどがあります。





脱毛はどうすれば予防できますか。
年を取っても発毛は可能ですか。


 
血管の老化と共に起きる症状は動脈硬化

 脱毛は頭皮ケアである程度防ぐことができます。近年脱毛治療薬や発毛剤も開発され,当然個人差がありますが,年を取ってからの発毛も可能になってきています。
 
 専門機関ではレーザー光やイオン導入,微弱電流を利用した発毛方法がおこなわれており,これらの治療を受けてみるのも一つの方法です。



 
 ■ 脱毛,薄毛のアンチエイジング対策その1
    頭皮ケアでをまめに行おう

 白髪の予防でも述べましたが,頭皮マッサージは脱毛にも有効です
 
 頭皮のマッサージはシャンプーをする時にもするとよいでしょう。爪を立てずに,両手の指の腹で,卵を軽く握る感じで,マッサージするように洗います。

 ここで注意してほしいことは,シャンプーのすすぎ残しです。毛根に残ったシャンプーは,頭皮のタンパク質を分解し,抜け毛の原因となります。

 また,トリートメントや整髪剤のつけ過ぎも要注意です。これらは毛穴をつまらせ,髪に栄養分が行くのを妨げてしまいます。

 洗髪後は,濡れたままにしておくと,頭皮の表面に雑菌が繁殖し,炎症を起こすこともあるので注意しましょう。
 


 
 ■ 脱毛,薄毛のアンチエイジング対策その2
   発毛に役立つサプリメントを摂取してみよう


 亜鉛などのミネラルには,髪の新陳代謝を促し,髪の主原料で あるアミノ酸の合成に不可欠な栄養素です。

 この亜鉛を摂取する他にも亜鉛などのミネラルの腸からの吸収をよくするビタミンCなども一緒にとるとよいでしょう。

 また,白髪予防と同様に血流を改善するサプリメントとして,赤ワインに含まれているブドウ種子エキスやイチョウ葉エキス,ナットウキナーゼなどもよいでしょう。

 髪を作るのはタンパク質ですから,アミノ酸をバランスよくとることも髪の成長には必要で,ビール酵母は,ビタミン,ミネラル,アミノ酸のバランスがよくふくまれ,すすめられます。



 
 ■ 脱毛,薄毛のアンチエイジング対策その3
   
育毛剤・養毛剤を使ってみよう
 

 薄毛になった場合皮膚科クリニックで治療が可能です。日本で初めて男性型脱毛症治療薬として承認された「フィナステリド」は飲むタイプの発毛剤で,皮膚科で処方されています。

 この発毛剤の商品名は「プロペシア」で,これを販売している万有製薬の報告によると,1日1mgを1年間服用した場合,患者の58%に改善が認められたということです。

 また,塗るタイプの発毛剤として開発されたものが,ミノキシジルです。

 これは毛細血管を拡張させ,血圧をさげる治療薬でしたが,発毛の効果もあったため,発毛剤として使われ,この成分を使った育毛剤には大正製薬の「リアップ」などがあります。

 このほかにも高い育毛効果があるというハーブの一種「西洋オトギリ草」の含有成分の構造をまね,さらに高い育毛効果が出るように花王が新たに開発した「t−フラバノン」を使用した「サクセス薬用フラバサイト」もあります。

 資生堂が開発した「薬用アデノゲン」は毛乳頭細胞に直接作用し,発毛促進因子(FGF-7)を産出させるアデノシンを使用しています。

 
 また末梢血管を拡張し,血流をよくするセファラチンは円形脱毛症治療薬として使用されていましたが,育毛効果があることがわかってきています。
 
 さらにバラ科植物のワレモコウから抽出されたエキスはヘアサイクルの成長期を延長し,毛包細胞の増殖を活発にすることが発見されています。

 このように多くの育毛剤があり,選択にも迷うところですが,育毛剤の使用で注意しなければならない点は,育毛剤は2〜3ヶ月使用してはじめて効果が現れるということです。

 1瓶で効果がないと,止めてしまったり,違う商品と変えてしまったりすると,効果がでないだけでなく,自分にあわない育毛剤を使用してしまうことにもなりかねません。

 まずは,じっくりと最低でも2ヶ月は同じものを使用してみましょう。

 


 
 脱毛,薄毛のアンチエイジング対策その4
   
頭皮ケア専門クリニックで治療してみよう

 現在さかんに発毛のCMが流されていますが,発毛に関して多くの新技術が開発され,成果もあがっています。

 育毛専門の施設では,頭皮の状態をよく分析し,その人の体質にあった治療をしてくれるというメリットがあります。

 新技術としてレーザー光による毛母細胞の活性化,育毛剤のイオン導入,微弱電流による頭皮の活性化など多くの方法があります。

 さらにこのような専門施設ではナノテクノロジーを利用して,有効成分が頭皮の奥まで浸透するような技術も開発されています。

 育毛剤やサプリメントでも効果がなかった方はこの専門のクリニックでの治療も考えてもよいかもしれません。